いくつかの心象/結城 森士
その公園は僕がまだ中学生の頃
毎日のように走っていた公園で
僕は少年の影を追いかけながら
いつの間にかあの頃と同じコースを走っていた
昼間だというのに誰もいない
こんなにも眩しい午後の日差しの中
老人も主婦も子供も、
いつもは居るはずのアヒルや
池の中を泳いでいるであろう鯉さえ
この眩しい午後の公園に居る気配が無い
時折視界に見え隠れする少年の影を追いながら
疲れを感じることなく軽快に走り続けた
その間に様々なことを思い出していた
中学生の頃の仲のよかった友人達
彼らとの学校生活
些細なことで喧嘩したこと
昼休みにはいつもボールを投げ合っていた
まだ若い
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