いくつかの心象/結城 森士
 

大きな木々が眩しげに揺れていた
揺れていた
揺れていた
揺れていた

校庭の裏に僕らは居た
僕らは校庭の裏で隠れたり
木の棒を持って振り回したり
僕らはいつまでも飛べるのだと
僕らはいつまでも少年で居られるのだと
思っていたのかもしれない

手から離れていった真っ白な紙飛行機は
上空に飛んで白い雲の中に消えてしまうのだと
そう思いたかったのかもしれない

あの日確かに僕達は空を飛んでいた
そして紙飛行機は確かに地に落ちたのだ









[追憶]

放課後の教室や
帰宅後の薄暗い部屋は
一層孤独を増徴させる気がした

定刻
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