月下美人への恋/榊 慧
オレは次の世は蝶に生まれたいな。
そうしたら、ずっとキミに唇に止まって、キミの蜜だけ吸って生きていくんだ。
その時は、できれば何の障害もなくキミと結ばれたい。
神様はきっと、そこまで意地悪じゃないよね?
夕日が落ちる頃、オレは必ず浜辺へと向う。
今日の夕日も、やっぱりキレイ。
でもあの日キミと見た夕日以上に美しい夕焼けには、今も一度も出会えないでいる。
(月下美人だって、いくらなんでも太陽の最後の時間くらい見たって良いでしょう?)
ねぇほら。
オレは心から愛してる。
キミも愛していてくれたかな。
時々、
大気に乗ってキミがこの町に降り
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