ある日/んなこたーない
自惚れてみたところで、
それによって国民大衆が目ざめる可能性は低く、
いわんや「『人殺し』で、掟破りの、傲慢かつ不遜な、停滞した平和な空気を荒々しく踏み破る文人」が
登場したところで、あまり多く期待できそうにもない。
一方、「千の風になって」や「求めない」の成功も、沈滞ムードを吹き飛ばすほどの威力は感じられない。
・「ああ、なんちゅう紫の瓢箪だ」
西脇順三郎の著作集が刊行されている。
西脇ほどの詩人になると、あるいはぼくが寡聞にしてか、
表立った批判というのは見受けられない。
田村隆一の「先生」には、何となくぼくはぞっとしないが、
そのアカデミックかつ求道的なたたずまい
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)