屋上映画/ゆうと
 
なくて黙った

そしてふっと雨は止み
空は黒く塗りつぶされていた
無数の星がまたたいている
もし流れ星が流れたら
君は何をお願いするんだろう
そんなことを考えていたら
君はわたしに近づいてきた

君は何も言わない
わたしも何も言わない
わたしは思考回路をめぐらせて
言いたいことを探していた
そしてしばらくすると、見つかった
思わず、あっ、と口にしそうになった
でも、こんなことを言ってどうするんだろう
そう思ったけど
沈黙に耐え切れず、あの、と言って
君の瞳を見て言った

好きです

その言葉に君は、少しだけ微笑んで
ありがとう、とだけ言った
そして
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