屋上映画/ゆうと
して君は、振り返り、出入り口のほうへ歩いていく
だんだんと影が薄くなり、風が吹くと消えてしまった
わたしは大声で泣くと
頭ががんがんと痛くなり
その場でうずくまった
目が覚めた時
そこは自宅のベッドの中で
わたしは頭に冷たいタオルを乗せていた
そして、涙を流していた
夢だったんじゃないか、夢だったような気がする
それでもうれしかった、でも少しかなしかった
わたしはまたしばらく泣いて、眠りに就いた
屋上では映画がひっきりなしに流れている
今日も、明日も
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