花瓶の底、龍の眼(改稿)/はらだまさる
 
引きの大皿に ざん と盛り付けて、丸大豆醤油をぶっかけて、瓶詰めの粒マスタードを少し添えて、俺はそいつをつまみにして、空の月で割った焼酎のなかに 龍の金玉を浮かべて ちびちびと呑みつつ、お前の耳たぶをいやらしく弄り、纏わり付く唾をごくりと呑み干して 舌のうえで金玉を、ころころ 転がして 金玉をころころ、

柔らかいお前に 全身を舐めさせながら、どこからどこまでが虚像で、どの意識が本当なのか、気が付くと手の甲が かさかさ してるので よく観ると鱗が生えていて、どんどん、どんどん、お前の柔らかさが 気持ち悪くて、俺は嘔吐を繰り返し、裏返った内臓を吐き出して、さらに終わりのない胃痙攣と、乾燥した唾液
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