純白/ae96
 
かしい舌で 僕の中指を舐めた。

  僕の 理性というセキュリティを 

  いとも簡単に 彼女の唇と舌は ハッキングしてしまった。

  
  唇と唇が 秒針ごとに近づいて

  触れる瞬間に彼女は言った。

  「これはただの遊びだからね。」

  
  僕はその言葉に無言で応え

  頬を撫でていた腕を

  彼女の首へとまわした。

  そのまま 欲求が命ずるままに

  抱き寄せた。

  左手は彼女の右手を押さえつけるように握っていた。


  唇と唇 舌と舌。

  まるでひとつになってしまったかのように

  絡みついた
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