鋭角な旅路の先端/灯兎
世界を笑みを返してくれるだろうか
そう願うほどには 子供じゃないつもりだったのだけれども
檻に飽き足らず 体毛と仮面を纏う自分が 結局は最低に幼かったんだ
だから檻を燃やした 前に進むため 淡い光に包まれて死ぬために
それがいつになるかは分らないけれど 少なくとも今はまだ
何処かでまた 包帯だらけの吟遊詩人に会うために 生きるのも悪くはない
片割れの死骸を舐め回しては 愛おしげに奏でるオオカミを見た
嗚呼 お前もこちら側のものなのだろうな 届かない言の葉を燃やす
昔 銀のライオンと聞いた 荒削りなリフレインに 衣装が震える
幾重にも交差する 鋼で出来た自愛の糸が 紡ぐ
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