エドワード・W・サイードと金縛りと追記/んなこたーない
 
最善をつくして真実を積極的に表象することであり、
    いまひとつは、消極的に庇護者や権威者に導いてもらうようにすることである、と。

    知識人が直面する大きな選択とは、勝利者や支配者に都合よい安定状態を維持する側にまわるか、
    さもなくば――こちらのほうがはるかに険しい道だが――、このような安定状態を、
    その恩恵にあずかれなかった不運な者たちには
    絶対の危機をもたらす危険なものをみなしたうえで、従属経験そのものを、
    忘れられた数々の声や忘れられた人間の記憶ともども考慮する側にまわるかのいずれかである。

 強者、弱者の二項対立をたて、あくま
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