八月前半/んなこたーない
 
ない、何かをする気にもなれない。
 そんなとき、どうするか。

 たまにはインテリぶって本を手にとってみる。
 河出書房「世界の大思想 スピノザ」から「知性改善論」を読み始める。

 と、すぐさま問題が持ちあがる。本がでかいうえに重たい。どうもうまく体勢が決まらない。
 あいにくぼくの部屋には机がないので、ソファかベッドに寝転びながらでないと本は読めない。
 さっそく本を投げ捨てる。読了したところで、ぼくの知性が改善される心配はないが、
 腕が一回り太くなってしまう恐れがある。

 なにか文庫サイズの小説でも、と思ったのだが、ぼくは普段から小説を読まないので、
 部屋中を探
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