PETEN IN THE C.M.B (ペテン主よ、我が家に祝福を!)/人間
精神は、彼、あるいは彼女に「私」と名乗らせ、”自我”を与えた。
自我は、精神に従い経験に頼って、
何らかの主義や思想や宗教や哲学といった洗練された知性の権化である体系的学問を選択し、
信じて、または利用して、
思考によって具象抽象あらゆる物事を無差別に屠殺し、
感覚で濾過し、
過去に押し込み、
判断で切り分け、
その各部位に知識と名付け、
この一連の作業工程は経験として記憶の戸棚に整理された。
知識を言葉に加工し、
それを感情や想像や経験で染め上げて引用したり、
レトリックの技術やドラマツルギーの方法などを駆使して、
言葉を出来る限り隙間無く織った。
時間の中で堆積し、
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