PETEN IN THE C.M.B (ペテン主よ、我が家に祝福を!)/人間
 
は、過去も未来も、知識も記憶も無くて
何も望まず求めず、何も考えず想像せず、ただ静かに事実を見ているだけの、イビツな球体だった


 (あ、スズメ。ちょっ、外に逃がしてくる)

 [ チュン、チュン、
彼、あるいは彼女の”熟練した精神”にとっては、
シンディとミソスープとビー玉の意味、その詩情、文学性が何よりも重要だった。
 経緯はこうだ。
はじめに事実ありき。
彼、あるいは彼女は、生まれた。
そして、育成された環境や人種、教育された知識や思考、刷り込まれた差別や伝統、
それら受け入れ、あるいは反発して、
その経験を揺ぎない背景として”精神”の萌芽が作られた。
精神
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