十三のつく日のふたり。/哀詩
たが帰って来たら、あたしはここにいないのね。)
と君が僕をみつめると、君のひとみが目にはいった。
衝動といって好いはやさで僕は、
君にキスをおとした。
(お前は泣くな。ずっと笑っていろ。)
とあなたはわたしの視界が歪みだしたことに気がついた。
笑おうと強がり、いつものように少しくちびるを動かして、
キスをもう一度、と求めた。
僕は知らないところへ、3週間勉強をしに、
君は知らないところへ、2年間勉強をしに、
旅立つ理由は同じであったけれど、
場所と期間は異なっていて、
心はひとつだと、いえる自信があるほど僕等、子供でない。
距離はそのまま、すれ違いに繋がることを、
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