ラブアンドピース?いいやラブはピースをも駆逐するのかもしれない。/山田せばすちゃん
とはとても大事なことだ。
この詩の中では話者である女性と「あのひと」と称されるおそらくは夫であろう男性では明確に小田実とベ平連に対する立ち位置が違っている。ベ平連を「ヴァンヘイレン」と聞き違え、実は小田実「まこと」をいつのころまでか小田実「みのる」だと思い込んでいた作中話者である「わたし」はかつて若い日に「あのひと」に連れて行かれる形でベ平連のデモに参加し、理論学習も何もないままに反戦とベトナム和平だけを唱えていたのだが、その根拠のなさを「恋心」のようだというのはおそらくそれが本当に「あのひと」への当時の恋心に通底しているからにちがいないし、そんな動機で「運動」に参画している人間を、男女の区
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