組詩「風」 /青の詩人
大きな木の下
日陰に腰かけ 物語を読んで
木の葉のささやき 風がいるのね
大好きな麦藁帽子 風に飛ばされ
気づけばどこか 知らないところ
そこで私は 彼と出会った
あふれる笑顔 彼と寝転び
感じた 風の気持ちいいこと
雲は流れる ゆるやかに
それから毎日 ふたりで遊んだ
彼は言った 行かなくちゃ
もう会えないかもしれない
私は言った あなたを待つ
もう一度この 風吹く丘の木のそばで
幼きふたり 未来を約束
風のように 見えないものを
約束した
ずっと待っていた
ずっとずっと待っていた
風はいつか吹かなくなった
どこへ行ってしまったの
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