『石の女』/川村 透
 
込めて飼っているような、
甘美さ、にふるえながら
少年のように胸を高鳴らせて日々を過ごしていたんだ。


僕が
眠り姫、を
眠り姫と名付けたのは
眠り姫、
眠るある夜のこと
僕は砂時計の夢から目覚めた。
僕と彼女のシーツは蒼く、けだるく物憂く、僕は
物思いにふける、
眠り姫、
が脱ぎ捨てたモノは被写体として再びカメラに写るようになる
脱ぎ捨てられた衣服どもが、被写体として息を吹き返している事を
知ったときのなんとも言えない落胆、ナゼダ?ナゼダ?
眠り姫、
眠り姫、
僕は、ふいに奇妙な予感につきうごかされる。
彼女の花のような寝姿を撮ってみよう
レンズを向け
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