パパのうそつき。/阿片孫郎
うん、わかった、ゆっくり寝るね」
「いい子ね」
そういってママはげんかんから出て行きました。
朝になったらママはもう私の朝ごはんを作ってくれていました。
本当はパパが帰ってこない理由、知っているんです。
パパもママも、嘘をついているんです。
嘘はいけないのにな。
パパはママを独り占めしたかったからけっこんしたんです。
抱きしめて独り占めしちゃえばよかったのに、パパ。
抱きしめてもらえない夜にかぎってママの携帯電話はなるんです。
その携帯電話を鳴らしているのがパパだったらよかったのにな。
「グッドタイミング!」ってママも笑っていられたんだと思うの。
でも携帯電話をかけてき
[次のページ]
戻る 編 削 Point(0)