彼女はサボテン/hiro
 
いた氷は徐々に心の泉へと溶けだしていった





僕は毎日うちに帰ると一目散に君に駆け寄って
血まみれになるくらいじゃれ合ったよね
その後 僕は 傷口を自分で縫合してたんだぜ


ディナーのときはいつも僕だけが食事をとって
君は水しか手にしなかったよね
肉食主義者でもなく菜食主義者でもないと
気づくのには時間が掛かったよ
 
何度か君の肩に手を回わして寝ようと試みたが
君は恥ずかしそうに払いのけて僕の顔をしかめさせたよね
毎朝 赤に染まったシーツを洗濯してたんだよ

飲んだくれて仕事から帰ってきた僕が
君に棘のある言い方で八つ当たりしたときも
君は優し
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