彼女はサボテン/hiro
優しく慰めてくれたよね。
そのとき初めて君と一つになれた気がして嬉しかったんだよ
最後の最後まで君の緑色の艶やかな肌に
触れることができなかったのは本当に心残りだけど
誰よりも優れた止血方法を知っているし
誰よりも血液をつくる食物を知っている
誰よりも棘の怖さを知っていて
誰よりも君を愛していた
あれもこれも君のおかげだよ
君は僕より先にあの世に行ってしまったが
君の分まで僕は生きてみせるよ
そして君と初めて出逢ったあのホームセンターに行っても
他のヤツには目もくれないから変な心配するなよ
僕は目に涙をためて 無残な形となって横たわった君を煎じて飲み
君の苦しみを一緒に味わった。
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