線/水町綜助
 

して
いま
平行に

うなばらが
さらさらと
かがやく
叩き
割った
ガラス
みたいに

数え
られない
ひと
ひと
ひとの
あしあとが
波となって
うみに
きざまれて
打ち
寄せる
たび
飲み込み
打ち消し
数え
られない
ただ
音が
聞こえる

ひと
びとは
海岸に
向かって
歩いて
きている
ようだ

ちかづく
ほどに
ぼくには
見えない
吹き
飛んで
いく

挨拶と
上げた
手が
滲んで
流れて
しまう

とおく
目を凝らすと
風で
また
涙が
でる
じわりと

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