線/水町綜助
 

熱く
なって
溜まって
ふるえたなら
ある
切れ目から
こぼれ
散り飛ぶ

それでも
遠くを
みたなら

ゆるやかな
曲線の
海の
果てに
ひかりに
とばされた
線のうえに
波の
はじまるところに
列車が走っているのが見える

銀色の
三両編成が
白い光を
流して
走っている

同じ
はやさだからか
はっきりと
金属の
たわみ
そこに
映った光の
波紋までもが
見える

車窓には
逆光に
黒く
ひと
びとが
ちいさく
すわっていた




















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