カラメル岬にて/楢山孝介
 
て殺してやろうと考えた

からまる君は最近気にしていることがあった
陰毛に白い毛が一本混じっていたのだ
鼻毛に混じっていた時はあまり気にしなかったが
陰毛に白いものはまずいんじゃないかと思った
一物を存分に振りまわすこともしないままに
もう男として衰えてしまった気がした
数少ない昔抱いた女の中に
陰毛が半分がた白い女がいたことを思い出した
まだ若い女であったのに
肌に張りもあったのに
驚くからまる君に女は笑いかけた
「多いよね」と笑いかけた
からまる君はその女に急に会いたくなったが
顔も名前も思い出せなかった

とんがり君はハンモックの上で寝かせた
夜中うるさく
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