漆黒の果樹園/鈴木カルラ
 
、簒奪者として、漆黒の色にはすべての者が下僕という光栄に、まさに、それに能くするためにある。
もう、この果樹園によって最後の色の破片すら私から奪う、暗がり、ほとんど男性として形をなし遂げていない私のすべての有色人種の破片が削り取られる。
誰かが与えた微かな光が陰気に存在することはできない。
地面と私が、しかし、それは十分に、そして、地面の方向へ残された漆黒の果樹園、漆黒の果物を私はもぎ取る。
無限の蒼空、無限の暗がりが、その口へ、そして、さらに詰め込まれた意識さえも離れて実を結ぶのだ。
それは、私の口の内部に甘美の味覚を送り、そして、脳が力ずくで果物の味によって統治されてゆく。
蒼い空
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