「ものとおん」#2−#4/リーフレイン
濃い青い色の花をつけて、雨に濡れていた
蛇を根元に埋めた
あの硬い骸が 紫陽花に抱かれて
ほどけていく
雨の中を泳ぎまわるのは
生きたままでは無理なのだろう
------------------------------------------------p区切り
#3
真夏の
真夏の墓石の
黴苔を削り取るようにしてサンドペーパーで磨く
荒っぽいたわしではいけなかった
墓石が磨耗していくのは思いのほか速いのだから
墓所にトンボが番う
しなやかにつながって飛ぶトンボは群れの中のほんの僅かだ
繁茂する雑草に
打ちひしがれる手を
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