「ものとおん」#2−#4/リーフレイン
 

持ち上げる 持ち上げる、持ち上げて
持ち上げる、ああ、君らはなんと生命に満ちていて
わたしは持ち上げた手で刈り取らなければならないのに

真夏の空に
疲れきった一杯のビールは気の抜けた苦味が生ぬるい






#4
    一文字横丁

日に焼けた破れ障子
風吹いて罵詈雑言
天井の染みが怒り狂って
泣いた赤鬼 石の下

ほんとあ他人様なんてどうでもいいよ
ただ寂しいっからさあ
安っぽい心配振りまいて

安っぽさにいやけぇさして
黙って障子戸しめたんは
どんな心配でもないよりましだって
わかる前の話だったさ




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