残された風景/はじめ
仕事に疲れた僕を背後からそっと抱き締めてくれる
僕は涙を落とし君に全てを委ねる
そうすると心が晴れ渡り 軽くなって自然と笑みが零れてくる
風景の守り人を続けるのには少々疲れすぎたようだ
僕は宙に浮き 若くなって君のいない風景でも生きていける力をもらう
僕は優しく風景を撫でる
瞳のカメラで撮った写真が頭の中に一杯だ
僕の大好きな君の風景 孤独に生かざるおえない僕にはとても大事なものだ
風景がようやく形を帯びてきた 僕はその風景を歩き回る
君とデートで座ったベンチに座る 映画館で君と見た映画を見る
君と歩いた並木道を再び歩く 落ち葉のカーペットは永遠に続いている
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