いくつもの 路上/水町綜助
日に照らされて眠っている
日に照らされて
絡まった長い髪が発光している
道の上照らされるほどに黒く
喧騒の中浮き彫りになっていく
これはもう王様だ
のっそりと歩き出したら
誰もが道を空けてる
もう名前など意味は持たない
彼は独立している
*
街路樹
どうしようもない晴れ間に
鉛筆で描かれた僕が歩いている
僕のかすれたところには光が刺さっていて
ぱらぱらとページを繰ると僕が歩き出す
街路樹は均等に並んで
太陽は硬質でとがった光をそそぐから
緑の葉は凍るように燃えて
かち割れた宝石のように光を乱反射する
それを道路の反対側から見ている君
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