小鳥と青年/はじめ
 
鳥籠を店長につまみ上げられると イヤだイヤだと抵抗して彼に飼われるのを拒んだ しかし彼の暖かい心から発せられる熱のようなもので俺はコイツに飼われてもいいなと思うようになった
 それからコイツの部屋に鳥籠が移されてからは 毎日毎日聖書を片手に歌う彼の賛美歌を聴かされた 彼の歌声は素晴らしく 圧倒された まるで復活した救世主が歌っているように 俺は自分が何の種類の鳥かは分からない だが一度聞いた歌に関しては完璧に歌いこなせる能力があるのだ 俺は自分の特技を彼に見せた すると青年は お前は天才だよ!! と言って 俺を鳥籠から出して両手で包み親指で体を撫でてくれた
 そんなことしてもらったのは生まれて
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