【小説】非習慣的な夜/なかがわひろか
 
女性の生理のときのように日記にスケジュール帳に○でもつけておいていいくらい、虚無な夜なんだ。そしてそれは心から僕を空っぽにしてくれる。別にそうなりたい訳じゃないんだけど。射精した瞬間から僕のこの夜は始まっていたんだ。僕の習慣は、結局そんな感じで簡単に打ち破られる。こういった夜は素直に眠れればいんだけど。普段真面目に読まない本を引っ張り出して、息もつかずに一気に読んでみたり、とにかくイレギュラーなことが多く起こってしまうんだ。僕はそれを思いつく限り実行していくしかない。それはそれでつまらなかったりする。
 僕のイレギュラーな夜はね、結局こんな風にいつ終わるとも知らず続いていくんだよ。
 やれ
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