【小説】非習慣的な夜/なかがわひろか
 
ツに潜り込むこと。
 つまり結局は性の話になっちゃうんだけど、そんなことを考えてみたりした。
 多くの男性なら分かってくれるはずだ。多くの男性の妄想は、大体こんな感じで似たり寄ったりだということを。
 とにかく僕はそんなことを10分ほど考えてみたんだ。
 だけど、何にも起こらなかった。
 僕には今、その妄想にしがみつけるような情熱がないんだ。
 だからその妄想はいつもより淡白で、そして淡々とただ一つの科白を棒読みするように終わってしまった。豊満な体を持った女性も、近所の幼馴染に対しても僕は極めて冷酷に対応してしまったんだ。
 つまり、それほどに自慰をした夜のことは、女性
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