ある詩人の漫遊記1/はじめ
 
りに就いてしまう 僕は前々から食料などを蓄えておいたので全く影響は無かったが それでも地下鉄が止まってしまったのは僕にとって痛手であったが 東京タワーから見る 東京タワーだけは1ヶ月中解放していた 東京の景色は 殺風景で 無音で 時々パトカーが悪さをする奴らを追いかける音が聞こえていたが 15日まで見せていた迫力が無いように感じられた 夜になると孤独な月の光では足りず暗黒に押し潰され寝息を立てていた 僕はそんな東京の夜を一人でふらふらと散歩することが楽しくてしょうがなかった 誰もいない繁華街 天に向かって眠っているビルの壁を軽くノックする ゴミ一つ落ちていない道路の真ん中を歩き スクランブル交差点
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