【小説】彼女の「思想」とサンドウィッチ/なかがわひろか
 
かったから、僕はキッチンにあるパンとレタスとハムと卵で簡単なサンドウィッチを作った。僕はサンドウィッチが結構好きだ。なんと言っても極めてシンプルだし、そしてパンとレタスとハムと卵が好きな人にとっては全部を一緒に食べることができるからとても便利だ。胃の収まり方も抜群だ。サンドウィッチを食べて胃がもたれる人なんて聞いたこともない。

 僕は彼女の分のサンドウィッチも作って、コップにオレンジジュースを注いで彼女の前に置いた。話しかけはしない。どうせしても無駄なことは分かっているし、さっきも言ったように、僕は彼女が一つの曖昧な問題に対して試行錯誤している姿を見ているのがとても好きだからだ。おなかが空
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