もしも、だれかに愛されたなら未来は変わっていたかもしれない/わら
 
せる

つまりは、なにも表しやしないことこそが、
真実なんじゃないのかっていう葛藤
ちっぽけな自分は、吐き出しそうな現実の前に
ろくに、ためらいを振り切れないままでいる
あがき、のぞむ純粋さなんて、
時として、だれもをキズつける鋭利な刃物でしかない
あわれなオトコは、だれもに痛みしか呼べず、
血のにじむ手で、それを握りしめたまま立ちつくしていた

人は他人の知るはずもない苦悩を
だれもが抱えているのだろう
俺の歩んだ道はどんなものなんだろうか?

痛みや孤独を気づかれまいとする苦悩は、
仮面をつくりあげていった
だが、ときに、
それ
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