日常/はじめ
た途端恥ずかしくなるのは僕も君も同じだ ドライヤーで再び髪を乾かし終えてまた二人してソファーによしかかっていた
日溜まりが時間への意識を遠ざけてしまう 真っ白なリビングルームで君はずっと外の景色を眺めている 景色は僕には見えない 君も何をずっと見ているのかもあんまり分かっていないらしいのだ ただ「緑が見える」ということだけだった 僕はそんな不思議な君のことが大好きだ
午後3時過ぎになると急に僕は具合が悪くなった 隣にいる君に言う 「ごめん。調子が悪くなっちゃったんだ。悪いけど薬を飲みに帰るね」 すると君は「あっ、そう。じゃあまた明日ね」とニコッと笑ってまた景色を眺め始める
帰り道は地獄
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