「ひかりの信号」/ソティロ
たぶん
星の速度が違うんだろう
日を追うごとに遠くなる光
このままだと
消えてしまう
と思って
ぼくは毎日がかなしくなった
それは避けられないことだった
そして
それはこわいことでもあった
ぼくは
家族に見えないところで
たくさん泣いた
ずっと泣いてた
そして
たくさん光を送った
すこしでも、
すこしでも、
と思って
ぼくの信号をつくり終えるのは
全然間に合わなかった
さいごにぎりぎり届くところで
めいっぱい気持ちをこめて
さーよーなーらー
まーたーねー
とひからせた
声だったら怒鳴るよりよっぽど大きい
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