近代詩再読 八木重吉/岡部淳太郎
 
れてるのと
木がはえてるのと
あんまりちがわないと おもふよ

(「○(あかんぼが/あん あん)」全行)


ぽくぽく
ぽくぽく
まりを ついてると
にがい にがい いままでのことが
ぽくぽく
ぽくぽく
むすびめが ほぐされて
花がさいたようにみえてくる

(「○(ぽくぽく/ぽくぽく/まりをついてると)」全行)


まわるものは
みんな いいのかな
こまも まわるし
まりも まわるし

(「○(まわるものは)全行」)


くう
らん と とまる
独楽のかなしさよ

(「こま」全行)


森へはいりこむと
いまさらながら
ものと
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