近代詩再読 八木重吉/岡部淳太郎
のといふものが
みいんな
そらをさし
そらをさしてるのにおどろいた
(「○(森へはいりこむと)」全行)}
いっきに五篇も引用してしまった。少し注意書きをしておくと、八木重吉の未刊詩稿にはタイトルのないものが多い。タイトルのあるべきところにただ大きめの「○」が記されているだけで、最初の数行をタイトルの一部としてここでは代用している。また、同題の詩も多いということもつけ加えておく。
思うに、夭折した近代詩人というものは、詩集として刊行されたものと合わせて生前は未刊のままで終ってしまった詩群まで含めて検討しなければ、全体像は見えてこないのではないだろうか。ここに引いた「{ルビ鞠=
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