海沿いのまち なみ/水町綜助
まはなんかまぬけな感じだ」
「ああ」
「ゼロがふたつはいってるからね」
「そりゃあ」
「………」
*
二千一年
…二本立ってたでかいアメリカのビルに
飛行機がつっこんでった晩に
は誕生日とかで
二十三になって
同い年で
その三日後に僕と
藤が丘のバーで酒飲んで
消防士としゃべって
関係ないなこれは
その後初めて一緒に眠って
翌朝
いや
寝すぎて昼下がりで
窓が開いてて
カーテンが翻るすきまから
日当たりの悪い部屋のくせに
夏くさい橙色が射し込んでて
九月が揺れてやがって
蝉が鳴いていて
ソーダ水が飲みたくなって
そんなもん
[次のページ]
戻る 編 削 Point(23)