海沿いのまち なみ/水町綜助
べに浮かんで
それだけをしている
ここから
どうする
などと聞くことはなかったし
それがよかった
それがよくて
うろついていた
嫌というくらい繰り返している
波
いくらわからないからって
空ばかり
打ち寄せるな
間違い続けて
*
ほんとうは
まちがってなどいないなんてことは
わかっていた
そう言ってしまって
きりきりとした砂であったと
言って
綺麗でいたかった
のだろう
馬鹿だってわかる
*
「二千七年四月らしいよ」
「知ってるけど」
「千九百九十九年のほうが」
「未来的だったよね」
「いまは
[次のページ]
戻る 編 削 Point(23)