コザカしくないひと/んなこたーない
 
然な改行を使ってみたり、
まあいくらでも挙げることができるだろう。もちろん、あんまり極端すぎると逆に凡庸に陥る可能性もある。
たとえば視覚詩なんかの場合が特にそうだと思うのだけれども、
先鋭的なもの程、先例とネタがカブった時点で魅力は激減してしまうものだ。

「悲しい」「美しい」「素晴らしい」……といった形容詞は危険視されがちだが、
素直に使えばいいとぼくは思う。なにもステレオタイプを恐れることはないのである。
多かれ少なかれひとはみな同様なのだから。

中桐雅夫の「海」をはじめて読んだときの感動はいまだに忘れがたい。
何よりも「すばらしい色」という表現が本当に素晴らしい。

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