詩集・人生の最中に/生田 稔
 
ゃん
0歳の息子の清い笑いを今も忘れぬ
美醜とは何か
そんなものはない、我々はみんな原子だ
分子だ素粒子だ

恋なんて面白くもない
お母さんに連れられたミカちゃんは
家の人の言うことをまねて
?けっこうです?が口ぐせだった
熱心だったのにクリスチャンをを止めた
やまぐち姉妹、その日涙があふれた
人におもねるべきか、おもねざるべきか
午後3時、茶を飲みつつ一息入れてまた明日。

曇り日の月曜日
唐崎の湖に来て
波静か、ゆくては霞み
絵を描く人、桟橋に
ビールを飲みつ、綴る詩集
今日の空、靄のかかりて
近江富士は見えず
さすらいの水鳥ら
神やしないたまう
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