詩集・人生の最中に/生田 稔
う。
朝の椅子
二メートル・三メートルの空間の中に
人のことなど考えない全ての人が
だけどさ
隣の犬のマルコちゃん
可愛いよ
難しく考えると
いやになって
デッドロック
鍵をはずしてドアーを開ける
広い広い野原
カフカの審判
込み入った建物
「なぜ知っている」などという
ソフイストな彼
家の中から英語が漏れる
セールス・パーソンの笑い
朝の十分、暖房を止めて
もうやめめる。
四季好日
春の小寒き朝、夏の輝かしき昼
秋の夕暮れ、夜そば食う真冬の遅く
趣ありて
徳富蘆花の随筆、漱石の愉快なる出だし
谷崎の世に馴染み、川端の
[次のページ]
戻る 編 削 Point(7)