彼の乗った船が エーゲ海で消えた/もも うさぎ
何百万光年も向こうの銀河を発見した
それはあたしたちの銀河系と同じ 渦巻銀河で
回転するその独楽のような小宇宙は
中央から外に向かって おびただしい数の
ダイヤモンドの光を 放っていた}
その情景は
深海のようにも見え
海に浮かぶ銀河に
あたしは そっと 手を伸ばしてみる
ここに入れば あたしはひとりではない
扉を閉める音は 思ったより響かなかった
砂浜には ひとの気配はなく
ただ 騙しているような 白い空が広がるばかり
いつのまにか ひざまで水につかっていて
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