*波止場ポート/チグトセ
え……。
「だから、空は地球」
パンツの中身は地球? それとも宇宙?
「でもそうすると……」
そりゃやっぱり宇宙だろう。
「地球と宇宙の境界はここからじゃ、絶対に見えないんだね……」
椎がこちらの視線に気づく前に僕は水平線に目を戻した。
どうやら今度はテレパシーできなかったらしい。
椎はもう一度伸びをして、ついでに大きなあくびを朝に響かせた。
僕はもう一度、心の中でうなずいた。
そりゃやっぱり宇宙だろう。何せ、人が地球にやってくる場所なんだから。
椎がねーそろそろ帰ろうよーと言ったのはそれから一時間もあとだった。
そろそろ帰ろうよーはずいぶんと前からこっちの台詞だっ
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