『レクイエム・レモン/ひかり』/川村 透
乳房みたいに心地良く触れる懐かしくて蜜柑のように泣けてくるんだ
ああ、蛍火の、あのなつかしいタキオン粒子になぶられる君の前髪、とどけ
紫外線を皮膚呼吸して新しい僕になってみせるよ、マリー、マリー、マリー
兄、よぉ
そう、ラムダ項、えっとここをこうして、と、
夢中になって、夕陽の汗で赤い、砂浜に数式を走り書き、
ほら、、解けた。
太陽風にみがかれた黄金の林檎にくちづけをする君はもう僕の母よりも母らしい
真新しい喪服で
みずみずしい朝の輝き/ノーブルなプロミネンスに焦がされて生まれ変われたら
あに、よぉ
黒いレモンのペンダント
君は喪服のまま生まれたての太陽と一緒にいつ
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