『レクイエム・レモン/ひかり』/川村 透
かしい喪服を着て笑って
いるセピアの写真ドコカ、ノ、イツカ、ノ、波打ち際、コーラの小瓶を思い出す、
あれはホントウにあったことなのか?
不思議な事に浜から見える火葬場の煙突に、煙はいつも見えないプラズマ、
スピキュール、棺をなめる炎は黒い太陽のフレア、なのだ。
キミト、ホントウニ、デアッタ、コトガ、アルノカ?
「アインシュタイン交差点で待つ/ノーブルなプロミネンスに焦がされて死ね」
黒い太陽、熱で浮かされた、髄膜炎の眠り、
泥水のシェスタを泳ぐ、オランダのバラ、ホーランド・ローズが踊る夢を見た
君の喪服の膝枕で、頬にレモンの首飾りの甘く尖ったさきっぽが
母の乳房
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