空飛ぶ機械のための習作/はらだまさる
 
を想像してみて欲しい。何も手に付かず、そのことばかり考えている自分がいるのではないだろうか。気分も冴えず、食欲も睡眠欲もなく、他人が妬ましく感じるのではないだろうか。もし、その悲しんだり、苦しんだり、憎んだりしている時間を自分がやりたいことのために健全に楽しく、周囲に不安を与えずに、また周囲を喜ばせてその時間を有意義に使えたら、どれだけ自分の可能性が広がるか、どれだけ自分の夢に近付くかということを考えたことがあるだろうか。
 もし仮に今、ぼくが突然不意に何の理由もなく無差別に誰かに殺されたとしよう。そうなるとぼくの妻をはじめ家族や友達は、その相手を恨むだろうと思う。しかし、ぼくはその相手を恨んで
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