空港の横/水町綜助
飛行機の墜落した草むらで遊んでいるのを見ている
耳の中に風が巻いて
ずっと音が聞こえている
草の音
靴の音
鉄の音
さびたひかりの音
空耳
それだけ
それだけってひとりで笑ってると
きみは少し離れたところにぼんやり突っ立ってて
たくさんひとが死んだ場所で
逆光のきみの髪の毛は金色に燃えてる
風でめちゃくちゃになって
絡まりながら
燃えている
何本も何本も
風に騙されて空に持ち上げられて
そうしながら焼かれて
そんなことをいつまでもいつまでも続けていつまでもいつまでもそんなことに気づかないから
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