空港の横/水町綜助
 
のぼって

たぶん途中で落ちるけど

はらえば服から砂埃が舞って
巻き上げられて空をよごすので

ひとつの切実として受けとって

ぼくは黙祷と煙をくべるから

笑ってください


まだまだ寒いよ

埃は高くまでのぼるね

どうもみていると

他人事でもないようで

だからなんだよと言いたくなる青空が

田舎の海のようで

やっぱり青いから

だからなんだよと文句のひとつでも言いたくなる

ぼくはコートのポケットに手を入れて錆びたトラ柵に座って

キイキイいう安全第一とみどりの十字が次第に気に入ってきて
そこで

きみが
昔飛行
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