空港の横/水町綜助
のぼって
たぶん途中で落ちるけど
はらえば服から砂埃が舞って
巻き上げられて空をよごすので
ひとつの切実として受けとって
ぼくは黙祷と煙をくべるから
笑ってください
まだまだ寒いよ
埃は高くまでのぼるね
どうもみていると
他人事でもないようで
だからなんだよと言いたくなる青空が
田舎の海のようで
やっぱり青いから
だからなんだよと文句のひとつでも言いたくなる
ぼくはコートのポケットに手を入れて錆びたトラ柵に座って
キイキイいう安全第一とみどりの十字が次第に気に入ってきて
そこで
きみが
昔飛行
[次のページ]
戻る 編 削 Point(12)